総本小松石 洋型墓石(特大)が完成。(基礎工事の様子 №1)
皆さま、こんにちは(‘_’)
本小松石の産地で、本小松石墓石を自社工場で製作しております 湯河原石材㈱の二見でございます。
先日、神奈川県 厚木市の寺院に完成いたしました、 総本小松石 洋型墓石の工事の様子をお伝えいたします。
石塔(墓石)をはじめ、墓誌、外柵、敷石の総てに真鶴原産の本小松石を使用しています。青目材(特級品)の中から、さらに選び抜かれた大トロ部分(超特級品)だけを総てに使用した特大サイズの洋型墓石です。
一般の洋型墓石の約2倍のボリュームの大きさであることと、青目材(特級品)の中からさらに選び抜かれた大トロ(超特級品)の原石を使用するため、丁場(採石場)で原石を調達するまでには、約5カ月の期間を要しました。
本小松石は御影石など違い、大きなサイズの原石がなかなか採掘されません。また実際に切削してみないと色目や模様がわかりません。
本小松石は、他の石材と違い、色合わせ(色目や模様を合わせる)が非常に難しい石材です。
さらに大トロ部分は、本小松石の全採掘量の5%ほどしか採掘されないため希少価値が大変高い部位であります。
こちらの洋型墓石の石塔に使用する竿石は3つ目でした。1つ目、2つ目ともに大トロ部分(超特級品)の希少な部位でしたが、実際に弊社工場に運び込み、切削してみると残念ながら完璧なものではありませんでした。
ようやく、3つ目にしてご覧いただいている特大サイズの本小松石 洋型墓石を加工することができました。
こちらの墓地は、前面の通路の道幅がたいへん狭く、路面が斜面となっているところでしたので基礎工事・据付工事の際は、機械の搬入や作業については、非常に神経を使うとともに大掛かりな作業となりました。
工事前の更地の状態でございます。この状態から、上の写真のような総本小松石 洋型墓石が完成するまでの様子を詳しくお伝えしたいと思います。
初めに、基礎工事に入るために、床掘り作業を開始しました。
外柵(墓地の周囲を囲う石)の起点となる位置に外柵の石を設置いたします。
外柵の高さを揃えるためにタコを使用し外柵の天場から据付けをいたします。
カロート部分を囲い、土の埋め戻し作業が完了いたしました。墓相学的にも、カロートの床面に、コンクリートを敷き詰めることは『断絶の相』といわれ大変良くないとされています。
また、一般的には、骨壺が6~8壺くらい納めることができますが、お墓は代々受け継がれてゆくもので、新しい仏様の骨壺が入らない場合は、古いご遺骨を土へ還します。
その際には、さらしの袋(納骨袋 / 浄土真宗や神道以外のお家の方は般若心経を記した納骨袋)に納めてカロートへ納骨し、土へ還します。
床面をコンクリートで施工してしまうと、このような場合に土にご遺骨を還すことができなくなってしまいますので、新しい仏様の骨壺を納めることができなくなります。
床面をコンクリートで施工してしまう石材店も多いので(コンクリートで施工する方が工事の手間がかからないため)、最初に依頼する際(契約時)に、きちんと確認をすることは大切です。
仏様もコンクリートの上では呼吸もできないですね。工事が完了すると、見えなくなってしまう部分ではありますが、正しいお墓の作り方をすることは永遠に眠る仏様にとってはとても大切なことだと思います。
次に、ベタ基礎工法による基礎工事のため、鉄筋(メッシュ)を敷き詰めます。
ここで使用する鉄筋に、ピカピカの真新しい新品の鉄筋を使用することは、弊社では絶対にいたしません。
これは、大変 重要なことです。強度に問題があるためです。
鉄筋が出荷される際には、錆止めの鉱油が塗られて出荷されます。
石材店をはじめ、土木や建築に携わる業者の中では常識ではありますが、この鉱油が完全に落ちていないと生コンとの付着率が非常に悪く、強度に問題がでます。
生コンクリートはアルカリ性です。鉄筋についた錆は酸性で生コンと触れることで中和し、錆は完全に消滅します。さらに、この錆には重要な意味があります。
鉄筋とコンクリートの間で 錆が、楔のような役割をし噛み合い効果で付着強度が増します。
錆によりコンクリートとの付着強度を増すことで、引き抜き力が増すのです。
(※引き抜き力=地震などの外部からの力に応用する力)
弊社では、この、鉄筋に塗られた鉱油を落とすために、あえて水洗いをして錆がでてから使用いたします。
手間は、かかりますが、基礎工事は お墓の工事の中で何よりも一番重要な工事であり、
重たい石を支え、そして何十年も何百年も建立し続けなければならないからです。
また、写真では見づらいのですが、手前の外柵の石に鉄筋が差し込んであります(差し筋)。
差し筋をすることで、生コンと鉄筋、石が一体化してさらに強度を増す構造で施工しています。
見えなくなってしまう部分ではありますが、長年 建立し続ける墓石だからこそ、墓石工事の深い知識と長年の経験を生かし、お施主様、そして大切な仏様に安心していただける墓石工事を行うことが一番大切なことであると考えています。
次回は、生コンの打設の作業の様子を詳しくお伝えしたいと思います。
完成写真は下記をクリックしてください。
https://yugawarasekizai.com/sekou_001/5005/
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まだまだ寒い日が続きそうです。
本日は、休日の方も多くいらっしゃると思いますが、風邪などひかぬよう暖かくしてお過ごしくださいませ。
湯河原石材㈱ 二見