本小松石 <聖学院高校(東京都)石材ツアー>工場見学・丁場(採石場)の様子
【 聖学院高校(東京都)石材ツアー 】 < 本小松石 丁場(採石場)にて >
【 本小松石製 記念プレート 校章入り 】・【 本小松石製 花器 】
今回の本小松石『石材ツアー』の記念として弊社工場で社長が心を込めて製作いたしました。
皆さま、こんにちは(^-^;
本小松石の産地で本小松石墓石を加工製作しております湯河原石材㈱の二見でございます。
本日は、本小松石『 石材ツアー』に参加いただきました、聖学院高校(東京都)1年生の皆様と共に過ごした貴重な一日をご報告させていただきます。
聖学院高校(東京都)1年生の生徒の皆様、引率の先生方、主催頂きましたリディラバ スタッフの皆様、ボランティアの方々、総勢40名の皆様が大型バスで弊社工場にお越し下さいました。
弊社工場・丁場(採石場)にて、本小松石を実際に『見て』『触れて』『体験』することで、『石材』・『お墓』を身近に感じて頂き、日本の銘石 真鶴原産の『本小松石』についても学び、知っていただきく。『見学・体験』で得た知識を踏まえて、石材業界を巡る今後の課題について、 共に考え 意見交換をしていただくことを目的として開催されたツアーであります。
私どもは、本小松石『石材ツアー』受け入れするにあたり、 あらゆる場面を想定し 見学・体験が『安全』に行われることを第一に考えて 準備を進めてまいりました。
特に工場での『体験』については、各工程で不安全状態がないかを念入りに確認し、体験が安全に行われることに重点をおきました。
そして、生徒の皆様が『有意義』な一日を過ごせること、『良い経験になったなぁ』『楽しかったなぁ』と 本小松石『石材ツアー』に参加して本当に良かったと感じていいただけるようにと 願い込めてこの日を迎えました。
弊社では、少人数の工場・丁場(採石場)の見学は日常的に行っているのですが、団体ツアーの受け入れは今回が初めての経験でした。
本小松石『石材ツアー』を主催いただきました、リディラバ スタッフの皆様、引率の先生方、ボランティアの皆様の多大なるご協力を得て、滞りなく無事に見学・体験を行うことができましたことに弊社スタッフ一同、心より感謝しております。
そして、生徒様一人ひとりが 積極的に、非常に熱心に取り組んで下さいましたこと、新鮮な視点で、豊かな発想の中から素晴らしいご意見・アイディアをご提案いただきましたことに改めて心から感謝いたします。
私どもは、聖学院高校(東京都)一年生の皆さま方から、新たな『気付き』を頂くことができました。
石材業界はもちろんのこと、私どもも 皆様から頂いた貴重なご意見・ご提案を大いに採り入れさせていただくことで、抱えている一つひとつの課題に取り組んでいく所存でございます。
それでは、聖学院高校(東京都)1年生の皆様と過ごした、本小松石『 石材ツアー』の一日をご紹介させて頂きます。
【工場見学・体験】
本日の 本小松石『石材ツアー』は、弊社(湯河原石材㈱)の会社概要、石材・お墓についての説明・本小松石の歴史・材質・用途などをスタッフよりお話させていただくことからスタートいたしました。
そして、弊社社長よりご挨拶をさせていただきました。
この日、この瞬間のために、なんと2週間も前から暇を見つけては、何度も何度も挨拶の練習してきたのを、私は知っています(笑)
皆様に会うことを楽しみにしている反面、大人数の前に出て話をすると、とても緊張してしまうために一生懸命に練習していたのです!
挨拶文が書いてある紙を時々チラチラと見ながら、挨拶終了まで しっかり持っていましたよ(笑)
社長の実直な性格が表れているなぁと思いました(^-^;
石材については、日頃あまり馴染みがなく 見学や体験をするのは『初めて』ということもあり、皆様 とても真剣にお話を聞いて下さいました。
【工場 見学】
本小松石のお墓が、どのような工程を経て 製作されるのかをスタッフの説明を聞きながら見学をして頂きました。
まずは、ワイヤーソー(大型切削機 ※産地ではたった2台しかない希少な切削機です)により、本小松石の丁場(採石場)で採掘した特大の本小松石の原石を切削するところから工場見学を開始しました。
初めて目にする 硬い大きな石が切削される様子を、生徒の皆様は驚きと共に興味深く見学をされていました。
『こんな紐(ヒモ)のようなもので本当に石が切れるの?』と真剣に見入っています。
生徒の皆様が『紐(ヒモ)』と言っていたものは、『ワイヤー』です。このワイヤーには特殊なダイヤモンドが埋め込まれているのです。
ワイヤソー(大型切削機)により ある程度の大きさに切削した本小松石の原石は、次の工程、中口径(中型切削機)により さらに細部の切削をします。
『あの歯の先って、どうなっているんだろう?』との生徒様からのご質問。
この歯の先端にも特殊なダイヤモンドが埋め込まれていて、硬い石を切削することができるのです。
本小松石の原石を中口径(中型切削機)で切削する様子をアイパッドで一生懸命に撮影をしています。
石の表面をを磨き上げる セルダン(自動研磨機)の仕組みの説明を受けながら、実際に本小松石を研磨している様子を見学しています。
切削しただけの本小松石の石肌は ザラザラしていますが、表面を磨き上げることであの艶(ツヤ)のある美しい石肌が表れるのです!
これから、生徒の皆様に製作して頂く『本小松石の一輪挿し』の天場(上の部分)を平らに加工するために、グラインダーという機械で手加工を施している様子です。
この日のために社長は、本小松石の丁場(採石場)に出向く度に『一輪挿し』に合う形の本小松石の原石を探して一つひとつ揃え集めてきました。
一輪挿しの天場(上の部分)の手加工の様子を真剣にアイパッドで撮影をする生徒様。
【工場 体験】 <クレーン グループ>
一通りの見学が終わり、次は工場での体験の開始です。
4つのグループに分かれて、3種類の工程を 順番に体験していただきました。
重たい石を工場内で移動させる場合(次の工程に移る時など)、この『天井クレーン』を使用して移動させます。
まず、この本小松石の上台を『 クランプ 』により挟む際の手順や注意点について説明を受けます。
大きなものでは、一つの石で およそ400~500kgもの重量になります。
今回の体験で使用したのは、墓石の上台(墓石の上から2番目の石)の本小松石です。
重さはおよそ200kg。
移動させるための、リモコン操作の説明を受けています。
手元のリモコンを操作して 移動開始です。どの位置に移動するのかを確認し慎重に操作している様子です。
リモコン操作により、本小松石の上台を上方に引き上げています。
生徒様が安全に操作を行えるように、スタッフも一緒に作業を行います。
上手にリモコンを操ることができていますね。さすがです!
【工場 体験】 <オフカット グループ>
ワイヤーソー(大型切削機)及び、中口径(中型切削機)により切削した本小松石は、次の工程で 使用する目的の形にするための切削を行います。
この工程に使用するのが『オフカット』という機械です。
オフカットにセッティングした本小松石の板材を切削している様子です。
一見、単純な作業に見えますが 切削するスピードや力加減が難しい作業です。スタッフの声掛けに従って慎重に作業を進めている様子です。
【工場 体験】 <穴あけ グループ>
こちらのグループは、本小松石の一輪挿しの中央(お花を挿す部分)に丸く穴を開ける作業を体験しています。
今回実施した 3種類の体験の中で『一番楽しかった!』という声が多かったのが こちらの 本小松石一輪挿しの『穴あけ』体験です。
レバーを操作して、下へ下へと回転するビットにより 穴あけの作業を進めていきます。
他の生徒様が体験している様子をしっかりと撮影しています(^-^;
こちらは、穴あけが完成した一輪挿しです。
側面は、採掘された状態の石肌。
天場(上の部分)は、艶(ツヤ)のある
美しい石肌が表れるよう磨きをかけて、中央に穴をあけて完成です。
お花を活けてみると こんな感じになります!
【丁場 見学】
工場での見学・体験が終了した後、大型バスに乗り本小松石の丁場(採石場)へ移動しました。
通常は、丁場(採石場)まで大型バスでも通行可能なのですが、大型バスの中でも一番大きな全長12mの立派なバスで、丁場(採石場)までのカーブの切り替えしが難しいとの判断により、途中から 徒歩で移動して頂く運びとなりました。
この日は、とても良いお天気で 暑かったのですが、生徒の皆様は丁場(採石場)を目指し 頑張って山道を登ってくれました。
私は、先生方・生徒の皆様・スタッフの皆様と楽しく会話しながらの移動となり、とても有意義なひと時でした(^-^;
当日まで、お天気がとても心配だったのですが(雨天の場合は丁場見学は中止の予定でした)有難いことに、快晴で 丁場(採石場)の様子を気持ちよく見学していただくことができました。
工場で実際に『見て』『触れて』『加工』した本小松石が どんなところで採掘されているのか?
採掘されたばかりの本小松石はどのような色や形状をしているのか?
初めて見る丁場(採石場)の光景は、日常 目にする光景とはかけ離れたものだったに違いありません。
広大な丁場(採石場)と、採掘されたばかりの大きな本小松石の原石に 生徒の皆様も圧倒されている様子でした。
実際に 間近かで見る本小松石の丁場(採石場)は、想像を超えるものだったようです。
皆様に見学頂きました丁場(採石場)は、本小松石の産地の中で 一番 歴史の長い丁場(採石場)です。
創業150年、幕末から本小松石に携わってきた 青木一雄石材店の5代目 青木大成社長 に本小松石の長い歴史や用途など、興味深い貴重なお話を伺うことができました。
青木大成社長は、本小松石の丁場(採石場)、一番の目利きです。
生徒の皆さまからは、いろいろな質問がでました。
『一日どれくらいの量の本小松石が採掘されるのか?』
『この丁場では何年前から本小松石が採掘されているのか』等々。
昭和初期まで人力で本小松石を採掘していたというエピソードの他、年間2万トンを超える本小松石は、港の埋め立て(沿岸工事)に使用するなど 採掘された本小松石の原石は墓石以外にも使用していることも学びました。
青木社長は、一つひとつの質問に丁寧に対応下さり、生徒の皆様は 本小松石の知識をさらに深めることができました。
長い経験の中で得た 現実味のあるお話から、本では学ぶことのできない学びを得ることができたことと思います。
今回の本小松石『石材ツアー』の中で、一番心に残る場面だったでしょう。
その後、『割り出し』という作業の見学をして頂きました。
本小松石の原石を用途に合わせた大きさに割り出すための作業です。
ドリルであけた穴に『セリ矢』を入れ、セットゥで打ち込んでいくと石にヒビが入り割れます。
割れた瞬間、生徒の皆様からは どよめきの声が上がりました!
午前中の工場見学・体験、丁場(採石場)見学により 石材やお墓、本小松石を身近に感じていただけたのではないかと思います。
【講演会・ワークショップ】
本小松石の丁場(採石場)を後にし、宿泊先のホテルへバスで移動後、生徒の皆様・先生方・スタッフの皆さまと昼食を頂きながら、和やかな楽しいひと時を過ごしました(^^♪
講演会では、より深い知識を得て頂くために、パワーポイントも使用しながら、グラフや画像などのデータをもとに、外国産石材の輸入量の推移・本小松石の採掘量の推移、墓石建立数の推移などから、現在石材業界がおかれている状況を理解していただくためのお話をさせていただきました。
墓じまい、宗教離れ、埋葬方法の多様化による墓石の需要減、他業種からの参入増による競争激化、海外製品との価格競争、職人の高齢化や職人不足など、現在 石材業界が抱えている多くの問題について活発な意見交換が行われました。
生徒の皆様は、私たちが抱える課題に真剣に向き合い 非常に熱心に 取り組んでくださいました。
新鮮な目線での発想や意見は、今後 参考にさせて頂ける とても素晴らしいものばかりでした。
私どもは、『湯河原石材を選んで良かった』とお客様に喜んでいただけることを第一に、良質な本小松石の原石を 自社工場で熟練の職人が心を込めて製作し、産地の卸価格で日本全国のお客様へお届けして参りました。
その想いをどのような形でお客様へお伝えしていけば良いのかということは、常に課題としてあります。
聖学院高校の皆様からの貴重なご意見にたくさんのヒントを頂けたと感じています。
職人の高齢化や継承問題、お墓離れ、宗教離れなど石材業界全体が抱える大きな問題についても、聖学院高校の皆さまから頂戴した貴重な意見をおおいに採り入れ一つひとつの課題に前向きに取り組んでいこうと思います。
高校一年生の生徒の皆さまが 大人になった時、また真鶴・湯河原の地に来た時に、『そういえば、高校一年生の時に、工場であの硬い石を自分で切ったり、穴をあけたりしたなぁ。本小松石の山にもい行ったなぁ』
そんなふうに、『経験・体験』をしたことを思い出してくれれば、とても有難いなぁと思います。
私たちも、皆さまとご一緒できたことは大切な思い出として一生忘れません!
将来、石材業界の仕事に携わらない限りは、丁場(採石場)へ行ったり、工場で石を加工するということは、おそらく 一生経験することはないでしょう。
石材について・お墓について、本小松石の古い歴史や特徴・材質・用途等々多くのことを学んで頂き、知っていただけたことは本当に有難いことであります。
今回の本小松石『石材ツアー』を受け入れるにあたり、万全の準備をして臨んだつもりでありましたが、行き届かない点もあったかと思います。
しかし、ケガをすることもなく 生徒様一人ひとりの真剣な眼差しや笑顔に触れ合うことができましたことは、私達にとって たいへん貴重な経験となり、宝物のひとつとなりました。
聖学院高校(東京都)1年生の皆さま、先生方、主催頂いたリディラバのスタッフの方々、ボランティアの皆様とのご縁に、弊社スタッフ一同 改めて心より感謝申し上げます。
本小松石専門 湯河原石材㈱
この本小松石の『球体』、とても綺麗ですよね!
下の台石は、原石の石肌を生かし 球体は丸く加工して磨きをかけました。
このツアーの体験中に、一人の生徒様から社長が質問を受けました。
『家の庭で、石を丸く加工しています!でも、どうも上手くできないのです。どんな工具を使えば丸く加工できるかを教えてください。』
工具については、特殊な工具を使用しなければこのような球体に加工するのは非常に難しく、技術についても数年の修行ではとても難しいと答えたのですが・・・
『今日も、庭で 一生懸命に石を 丸く加工しようとしているのかな・・・』
社長は、その生徒様のことがずっと気になっていて・・・
自分に出来ることはないかと・・・ずっと 考えていたようです。
で、作っちゃいました!
この本小松石の『球体』。
何とか、あの生徒様に贈りたいと(^-^;
石材業界に携わってきた一人として、庭にある石に深い想いを込めて悪戦苦闘しながら何とか形にしようしている姿勢に感銘を受けた社長です(^-^;
『本小松石のことが全てわかる』 動画
デザイン別 本小松石のお墓